北信五岳の一座、黒姫山に初めて登りました。どなたにでもおすすめできる素敵な山でした。
4/19に北信五岳の一座、黒姫山に初めて登って来ました。
・ちょうどよい標高差(約1,000m)
・ちょうどよいコースタイム(往復6時間ほど)
・なだらかで歩きやすい登山道
・好展望
・水がきれいで自然が豊か
・黒姫山にまつわる伝説もあり、地元の方にも愛される山
内容てんこ盛りの山行で、多くの方におすすめできる、とてもよい山だと感じました。
——————————
今回は鳳凰小屋の仲間の小池さんとの二人旅です。
朝方は天候がいまいちでしたが、昼頃には快復する天気予報。のんびり出発することにしました。
登山口に着く頃には、だいぶ青空が覗くようになりました。期待に胸が膨らみます。
すっかり減ってしまった残雪を踏みしめながら登ります。登山道はなだらかで本当に歩きやすいです。
樹林帯には、広葉樹のブナ、シラカバ、ダケカンバなどが多かったように思います。多くの水を蓄えることができるダムのような木々です。これらが千曲川に流れ込み、流域のきれいな水と豊富な水量を支えています。
雲が取れてきれいな青空が広がって来ました。上空は相当風が強いらしく、どんどん雲が流れて行きます。
稜線に出ると、小さなエビの尻尾。この暖かい時期に見られるのはラッキーでした。
氷結したオオシラビソの葉。龍のうろこのようです。
上空は風が強く、不思議な形の雲が見られます。
高妻山(右)と戸隠山(左)
風が強い日は流れる雲がきれいで好きです。
山頂に到着。後ろに見えるのは、北信五岳の一座、飯縄山(いいづなやま)です。
山頂標識が雪に埋もれていたので、発掘して立てておきました。
野尻湖がよく見えます。ナウマン象。
右から妙高山、火打山、焼山。
この三座は、空気がきれいな日に限り、鳳凰三山からでも目視できます。火山が産んだ独特の山容は、近くから見ると迫力があります。
山頂手前の尾根と高妻山
下山する頃にはすっかり雲が取れました。濃い青空に、ダケカンバの木々が映えます。
おっ!これは…バッコヤナギ(ヤマネコヤナギ)の雄花。
振り返ると、見事な高木がそびえていました。
バッコヤナギは雌雄異株と言って、雄花しか咲かない木と、雌花しか咲かない木があります。雄花は黄色、雌花は緑色。この木は黄色いので雄株です。
あれは熊棚かな?と思いましたが、細田オーナーによるとどうもワシなど鳥の巣のようです。
(※熊棚は、ツキノワグマが枝を手繰り寄せて実を食べた跡。→コナラ、ミズナラ、クルミなどの木にできる。写真の木はカラマツ、カラマツの実は食べない?ので、熊棚ではないとのこと。)
ルリビタキ♂を見つけました。
地面のエサに夢中になっている時は、けっこう近くまで寄らせてもらえます。
フキノトウを発見。春の香り。
下山後の黒姫山(ジェラート屋さんより)
下山後に知りましたが、黒姫山には「黒姫伝説」という言い伝えがあります。
「室町時代、信州中野を支配していた高梨氏に、黒姫という美しい娘がいて、あることをきっかけに黒龍が彼女に恋をするのですが、親に反対され、罠にかけられ、そして最後には…」と悲しい恋の物語になっています。
↓こちらが読みやすかったです。
https://www.janis.or.jp/users/kouriki/kurohimedensetu.htm
黒姫伝説は、文献や書かれた時代によって、いくつもパターンがあるようです。黒姫山は何世紀にも渡って地元の方に伝説が語り継がれ、愛されて来た山であるようです。
黒姫山と妙高山
妙高山がひと際存在感を放っていました。機会があれば、あちらもぜひ登ってみたいです。
写真…小池さん、青砥
文…青砥