キバナノアツモリソウの種
鳳凰小屋名物、キバナノアツモリソウ。
花の下に袋を持った、実に不思議な形の植物です(袋は唇弁というらしい)。
「この袋を使って、虫を捕まえて食べるんですね?」とお客さんからよく言われますが、さにあらず。食虫植物ではありません。
「それなら、この袋で花粉を受けて増えるんですね?」と思いたくなりますが、これも違って花粉を受ける役割はありません。
「じゃあ、何のための袋やねん」となるわけで、ずいぶんと調べてみましたが、なんと謎に包まれて分かりませんでした…。
単にオシャレのための袋なのかなあ。全く生命の神秘です。
(たしかヨーロッパでは「貴婦人のスリッパ」という学名がついていたと思います。)
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さて、このキバナノアツモリソウ。
鳳凰三山では、以前は地蔵岳に登る賽の河原に花畑があって、そこに咲き乱れていたそうです。
しかし、今はニホンジカの食害と悪い人の盗掘で見る影も無くなり、小屋の近くで保護する形でしか守れない、大変貴重な花になりました。
今シーズンは先週末に花が終わってしまったのですが、
その中に1株だけ種がつきました。
20株以上花を咲かせて、種がついたのはわずかに1株だけ。
この1株の種を大事にして、今後も少しずつ花を増やして行けたらと思います。
(チーフ)