山笑う季節
『山笑う』とは春山の明るい様を例えた俳句の季語だ。標高の低い辺りは既にそのピークを過ぎてしまったが、高度を上げればまだまだ瑞々しい緑と出会うことができる。
近隣の山ならば甲武信岳は石楠花の頃、横岳からはツクモグサの便りも届き始めた。先週は檜洞丸でシロヤシオを見た。今年はどうやら当たり年らしくどの株も大変に素晴らしかった。
私は今、緑の洪水を全身に浴びながら御座石ルートを上げている。小屋では気の置けない仲間達が待っている。彼らはきっと今日も笑顔で出迎えてくれるだろう。
私にとっての御座石ルートは喜びの路。小屋に着いたら山に負けない笑顔で『ただいま。』と言うつもりだ。
鳳凰小屋(小池)