3月の仙ノ倉山北尾根に行ってきました(中編)
※新型コロナの影響でお休みの間に、過去の山行記録を上げています。
3月中旬に行った仙ノ倉山北尾根の2日目です。
◆小屋場ノ頭からスノーリッジへ
2日目は暗いうちに起きて食事を済ませ、白み始めた5時過ぎにテントを発ちました。
仙ノ倉山北尾根はここから難所を迎えるので、不要な荷物はすべてテントにデポし(置い)て行きました。
まずは「スノーリッジ」。大半は穏やかですが、場所によっては片側が切れ落ちていたり、両側が落ちた細尾根だったりします。
…という情報だったのですが、雪の状態がよかったようで、今回は特に問題なく通り抜けられました。今年は3月まで雪が少なかったですからね。
夜が明けてきました。
スノーリッジの奥の山並みに陽が当たり美しいです。
タカマタギ~日白山。
そして、背後には…
巻機山(まきはたやま)が巨大な山躯を現しました。巻機山は数年前に白毛門(しらがもん)から縦走したことがあり、とても思い入れのある山。何度も振り返りながら登りました。
マジックアワーの美しい景色になかなか足が進みません。トレース(足跡)の無い雪稜を歩ける幸せをかみしめながら一歩一歩前進。
スノーリッジを越えると、
左側にはドドーンと万太郎山。
奥に見えるエビス大黒様もなかなか見事です。
◆油断大敵
無事スノーリッジを越えたところでひと息つきました。「スノーリッジ、思ったより楽で良かったですね~」など談笑。
…した直後、「ズンッ」という不気味な音とともに、
落とし穴に落ちました…(苦笑)
頭の高さより深い落とし穴。唯一の先行者であるうさぎさんの足跡にふらっとついて行ってしまいました。油断したバチが当たりました。。。
落とし穴の位置は黄色矢印。そこから水色破線に沿って雪庇(せっぴ)の破断面になりかけていたと考えられます。
また3月の早い時期なので、雪がしっかりしており事なきを得ましたが、もう少し時期が遅いと危なかったかもしれません。雪庇が予想される箇所は慎重に慎重を期さねばなりませんね。
◆核心部へ
気を取り直して、先に進みます。
今回の山行にあたっては、あまり情報を調べずに来ていましたが、核心部(技術的難所)はこの後にありました。
雪壁のような急斜面です。傾斜がキツい部分は、
こんな感じ。写真だとわかりにくいかもしれません。
斜面はテカテカに凍っているので、滑ったらダメです。ピッケルはダガーポジション、アイゼンは前爪のフロントポインティングで一歩一歩確実に登りました。
※トラバース(横切る)部分もあるので、そこの方が厄介かもしれません。今回は雪の状態が良かったので問題ありませんでしたが、降雪直後のトラバースはかなり神経を使うように感じました(雪崩を誘発するので)。パーティーに慣れない人がいる場合はロープを出す必要があると思います。
それにしてもいい景色です。
難所を登り終えると、シッケイノ頭(中央)、その先に三ノ字ノ頭(左のこんもり)が見えます。仙ノ倉山はその奥。山頂までもう少しです。
◆シッケイノ頭と雪原
急斜面が終わり、シッケイノ頭がついに姿を現しました。「シッケイ」というのはカモシカのことらしいです。ここでよく見かけるのかな。
シッケイノ頭へ再び急斜面を登ります。
風が吹き抜け、雪煙が舞い上がるようになりました。冬山らしくて気持ちがいいですね。
シッケイノ頭の上に出ました。
風が強い箇所のようで、シュカブラが見事です。シュカブラは風が通り抜けた後に残る雪の文様です。
少し進むと平らな雪原になっています。バリエーションに富んだすてきなルートですね。
◆三ノ字ノ頭、そして山頂へ
雪原を越えると、三ノ字ノ頭への最後の登りが始まります。そのすぐ先に仙ノ倉山の山頂があります。
最後までけっこうな急登でした。
とは言っても、ここまでくればビクトリーロード。
美しい景色たちが、
身体を山頂へと押し上げてくれます。
三ノ字ノ頭を越えれば、そのすぐ先が仙ノ倉山山頂です。
仙ノ倉山、初登頂。
と、ここで終わりたいところですが、遠足は帰るまでが遠足!登山も帰るまでが登山!
というわけで、まさ
かの後編へと続きます。
アオト
3月中旬。17日なら、雲取から、上越国境を眺めていました。雪が積もると稜線がはっきりしてとても素晴らしい景色です。西は「岩菅山」から「鳥甲」・「佐武流」・「白砂」・「苗場」そして、「仙の倉」から「谷川」・「朝日」と続き、「越後三山」・「武尊」・「尾瀬」・「日光」 全部見えていました。あの稜線を歩いていたのでしょうか。僕は、見ているだけで満足です。
ちばさん、惜しかったです。ぼくらは18日入山で稜線にいたのは19日でした。
雲取山からそんなに見えているんですね。驚きました。さぶりゅうや白砂などもとてもよい山だと聞いています。機会があれば行ってみたいものです。
すでに4月10日頃には東京(&全国)の新型コロナ感染者数の増加はピークを越え落ち着いて来ているようです。
早く気兼ねなく山に行ける生活を取り戻したいものです。