ヘリ荷揚げは神頼み
6月2日。
鳳凰小屋に登り、荷揚げのヘリコプターを待つことすでに3日。
ヘリを待つ鳳凰小屋の上空はきれいな青空。
ヘリが待機する御座石鉱泉も視界良好。
…なのに、その中間がガスで真っ白。ヘリコプターは通り道をふさがれて飛ぶことができません。そんな状況が今回は3日ほど続きました。
そして、3日目のこの日。ヘリコプターは鳳凰小屋を後回しにして、天気のいい北岳へと向かって行ってしまいました。。。鳳凰三山は天気のよい山なので、とても珍しいことです。
「ああ、これはきっとヘリポートで待つ倖市さん(オーナー)が呪われてるんだな」と思い、神社でお祓いをするようにお願いするのですが、倖市さんは「HAHAHA」と笑うばかり。うーん、これは困った。
仕方ないので、相棒の田口さんに鳳凰の稜線へ行ってもらいました。
田口さんは地蔵岳に静かに手を合わせた後、思いついたようにお隣の高嶺(たかね)へ。
※右のこんもりした山が高嶺です。
高嶺山頂は鳳凰小屋の先輩、ヨシキさんが愛した場所です。田口さんは亡くなったヨシキさんに手を合わせ、しばし黙祷。
南アルプスの雄大な山並みの中、順調に北岳へ荷上げするヘリの音が谷にこだましていました。
田口さんが小屋に戻りしばらくすると…
奇跡的に下部のガスが切れました。地蔵岳と高嶺で神頼みした成果!?
すぐさま電話したところ、もう少しで基地に帰ってしまうところだったヘリコプターがギリギリで来てくれることに。危ない危ない。
おかげさまで無事にヘリ荷揚げ完了です。
アカギヘリコプターの皆様、今回もありがとうございました!
文 アオト
写真 田口さん