インドでインド映画を観てみました

相棒つのさんが「インドで映画観たい!」と言うので、コルカタ(カルカッタ)で映画館に行ってみました。
インド映画と言えば、歌とダンス。そして「ほぼ100%恋の物語」だと聞いていたのですが、見事にその期待は裏切られ…。とてもいい時間を過ごさせてもらいました。
(※以下、長文です。)
ちなみに観た映画はこちらです↓
『Ek Ladki ko Dekha toh aisa laga』

優しくユーモラスな《父親》、年頃の美しい《娘》、娘に恋する脚本家の《男》の3人が織り成す物語。
オープニングはインド映画の代名詞でもある歌とダンスで幕を開け、そのままロマンスの場面へ。男が娘の手を引いて追っ手から逃げていきます。追っ手をまき、電車の窓越しに見つめ合いながら別れる二人…。
ここまでは完全にインド映画の王道…でしたが、その後の展開がどうもかみ合いません。男は猛アタックを繰り返すのですがふられ続け、いつまで経っても娘と男は結ばれません。
(「何これ、どうなってるの?」と小声でささやき合うつのさんとぼく。)
やがて娘の過去が明らかになり、娘がレズビアン(女性の同性愛者)だと分かります。娘はそのことを男に告白し、男の求愛を拒否します。
プロポーズをあきらめた男は、今度は友人として脚本家としてレズビアンをテーマとした劇の脚本を書き、娘に主役としての出演を依頼します。娘はこれを受けます。
これを聞いた娘の家族は初めこそ喜んでいましたが、やがてレズビアンが劇のテーマであることを知ると、憤慨。稽古場へ殴り込んで、娘を家へ連れ戻そうとします。
(※カースト制度など古くからの慣習が強いインド社会では、レズビアンは認められない存在のようです。)
娘はそんな家族の腕を振り払い、今まで周りを気にして押し殺し続けて来た自分の気持ちをぶつけ、絶対に劇から降りないという強い決意を語ります。
ショックを受けた家族は家に帰りましたが、娘をかわいがっていた優しい父親は強く煩悶します。
娘の部屋に入り、幼かった頃の娘との思い出を回想する父親。ふと本棚をのぞくと、そこには娘がいつも大事に抱えていた日記がありました。日記を開くと、中に書き留められていたのは、レズビアンであるが故に周囲の女の子たちからいじめられ一人ぼっちになっていく、苦しい心のうちでした。父親は初めて知る事実に愕然(がくぜん)とします。
父親は居ても立ってもいられず、車を走らせ娘のいる劇場へ。ちょうど劇場では上演が始まったところでした。
劇は拍手喝采で始まりますが、レズビアンというテーマが明らかになるにつれ、多くの人が席を立ち外へ出ていくようになります。それらの人々と入れ替わるように劇場へ入ってくる父親。
場面はちょうどクライマックス。娘がレズビアンとして生きる苦しみ、自分の人生を自由に生きさせてほしいと叫ぶ場面でした。
そこに娘の心の叫びを聞いた父親は、思わず舞台に上がり、娘に危害を加えようとする(役の)男を殴りつけてしまいます。
劇は台無しになりますが、舞台上でわかり合い、抱き合う父娘の姿に残っていた観衆は涙。劇も映画自体も大団円を迎えます。
ふだん全米が号泣する映画を観ても何も思わないぼくも思わず涙を流してしまいました。
ちなみに言語はヒンディー語。英語字幕は無し。インド映画おそるべしです。
アオト