早すぎる紅葉の理由(わけ) ~わくらば~
今の時期、山を歩いていると、周りの葉が緑色なのにそこだけ紅葉している葉っぱがあります。
これからが夏という時期なのに、なぜ紅葉しているのでしょう?
その答えは…
「ビールの飲み過ぎ」(笑)
ではなく、
「病気にかかっているため」です。
そもそも葉っぱが秋になると紅葉するのは、来たるべき厳しい冬に備えて葉っぱの養分を次第に根へと移していくからです。
その中で葉緑体にある《緑色》の色素は分解され、《赤色》の色素が作られます。
同じように、病にかかった木も、やがて朽ちる運命ではありながら、少しでも生き永らえるために葉の養分を根へと移していきます。これが早すぎる紅葉の理由です。
ちなみにこのような病にかかった季節外れの紅葉を《病葉(わくらば)》と呼びます。
普段はなかなか気に留めない景色、その中で営々と行われている自然の営みに思いをめぐらせてくれる言葉です。
筆 アオト