アコンカグア4日目~恐怖のエレクトリックストーム体験~

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4日目。今日から上部キャンプへの荷揚げが始まる。

ムーラに運んでもらった荷物を合わせると、荷物の総重量は50kgくらい。うち10kgはBCに預け、残り40kgを荷揚げすることになる。

一度には運べないので、二回に分けて荷揚げを行い、二回目に上のキャンプにテントを移動する。これを繰り返してC1、C2、C3とじりじりと山頂に近づいて行くのがアコンカグアの一般的な登り方だ。

この日はまず20kgほど背負って正午にスタート。しかし400mほど標高を上げたところで、暗雲が立ちこめ、霰(あられ)が落ちてきた。

キャンプ1のカナダ(5,050m)まではあと小一時間ほど。少し無理をしてでも荷物を上げてしまおう。そう思ってレインウェアを羽織り、再び歩き出す。が、どうも様子がおかしい。

レインウェアのフードから「ビビビビビ…」と謎の音が聞こえるのだ。フードから耳を離すと音は消え、くっつけると再び鳴り出す。今までにこんな経験は無い。何だ、これは?

そう思った矢先、髪の毛がぶわっと逆立ち、頭上に稲妻が走った。

自分が雷雲のすぐそばにいることに気づく。再び稲光が走る。1…。 音がするまでの時間から雷との距離を計ろうとするが、1秒にも満たない。

まさに頭上にいる雷。いつ自分に落ちるとも限らない。背中の荷物の重さも忘れ、脱兎のごとく駆け下った。

BCの高さまで下りると、霰がみぞれ混じりの雨へと変わっていた。エレクトリックストームの恐怖から逃れたぼくは、パスタをしこたま腹に収め、しばしまどろんだ。

18:30。「アオトくん、いる?」という声に目が覚めテントを開くと、そこには昨日会った日本人女性のNさんがいた。聞けば彼女は何とキャンプ2(5,500m)への荷揚げの途中で雷雲に飲み込まれたとのこと。

「急に右の頭がビリビリ痛くなって、右手をかざしたの。そしたら今度は右手がビリビリ痛くなって、あ、電気はこっちから来てるな~って。怖かった~」とのんびりとした口調で話すNさん。ともかく無事でよかった。

アコンカグアの自然は厳しく、天気が崩れれば人間などひとたまりもない。そう教えられた4日目。

アオト

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4 コメント

  1. 2018/03/01 10:39

    電子機器は無事だったようだね

  2. アオト
    2018/03/01 23:04

    みさん
    ぼくのメンタル以外はノープロブレムでした。

  3. Nさん
    2018/03/08 12:50

    たまたまエレクトリックストームで検索したら、ここにたどり着いた(笑)
    何回も感電しながら、我ながら、よく無事だったと思います。
    ビバークよりも、凍傷よりも、今から考えたら、一番の危機だったのではないだろうか??と、思えるくらい…
    すぐに撤退したアオトさんは賢明な判断だったと思います!

  4. アオト
    2018/03/16 14:34

    Nさん
    勝手に登場して頂いて失礼しました。ご本人に読んで頂くとは思いませんでした(笑)
    これは人生でも得がたい経験のひとつでした。ともかくみな無事で何より。

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