アコンカグア9日目~チームハポン始動&ゼビくん、風に立つ~

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C3コレラにて。左からとっきーくん・ゼビくん・ぼく。左上がアコンカグア山頂。

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ニド3日目。寝起きにまだ軽い頭痛。でも、動き出すと頭痛が消えた。今までに比べると、ずいぶん調子がいい。

9時半からC3コレラ(5,970m)へ高度順応に出発。

今日は数日後のアタックを占う試金石だ。装備も当日とほぼ同じ、ザックにもアタック当日と同じ重さの荷物が入れてある。

これで調子が悪ければ、3日後のアタックは中止にするかもしれないけど…、きっと大丈夫でしょ!

「チームハポン」の切り込み隊長こと、とっきーくんと2人で歩き出す。N子さんは「わたしはペースがのんびりだから」ということで別行動になった。

とっきーくんは、滋賀大学の四年生でワンダーフォーゲル部の元部長さん。彼を慕う部員たちはさすがに南米まではついて来てくれず、今回単身アコンカグアへ乗り込んで来た。クシャッとしたチャーミングな笑顔の底で、山とクライミングへの情熱を燃やすナイスガイだ。

二人とも思いのほか調子がよく、ぐんぐん登る。なんと2時間半かからずキャンプベルリン(5,930m)に到着してしまった。かなりいいペースだ。

「これなら当日も行けるんじゃないか?」と、とっきーくんの顔を見やれば、彼もうれしそうな顔でこちらに笑みを返している。

さらに15分ほど歩いてキャンプコレラ(5,970m)に到着。奇岩に囲まれたキャンプ地には打ち捨てられたテントやストックが散乱している。生命感は感じられず、どこか別の惑星に来たかのような印象を受ける場所だ。

明日は風速30mの強風が吹き荒れる予報なので、テントを張っている人は誰一人いない。

…と思いきや、ちょこんと1人テントを張る青年がいた。カナダ人のゼビくんである。年は20代半ばくらい。彼とは先ほどベルリンで会って記念写真を撮り合ったばかりだ。

「ゼビくん、明日はとても風が強いよ。テント張るの?大丈夫?」と聞くと、彼は「だから誰もテントを張ってないの~?」と言う。しかし一向にテントを張る手を止める気配はない。

その上「あ、ぼく来週はあっちのメルセダリオっていう山に行くんだ~。あっちも6,700mあるのに、入山料はいらないんだよ~。いいでしょ」と終始のんびりした感じ。

相当使い込まれたピッケルを持っているし、メルセダリオも難しい山。きっとゼビくんはかなりの手練(てだれ)なのだろう。そう信じることにした。彼の幸運を祈りつつ、記念写真を撮って別れる。

コレラから上の登山ルートを確認したぼくたちはニドに下りてテントを回収。一気にBCへ下った。

3日ぶりのBCはコレラとは対照的な活気に満ちていた。楽しそうな笑い声に、おいしそうな匂い。高山病、薄い酸素、風、寒さに囲まれて過ごす上部キャンプとは全く別の世界だ。

空腹を満たしたぼくたちは、そのBCの温かい空気と濃い酸素の中で深い眠りに落ちた。

結局あれからゼビくんには会わず終いとなった。彼は強風の夜をやり過ごしアコンカグアの頂を踏むことができたのだろうか。そして翌週はメルセダリオに挑戦できたんだろうか。

今ブログを書きながら、なぜか忘れ得ぬ彼のことを思い出している。

アオト

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