カタクリの花について
カタクリの花。薄紫色のうつむき加減の花が目をひく、早春の代名詞のような花です。
このカタクリについて調べてみたところ、とても面白かったので、調べた内容を以下にまとめます。
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まだ木々の葉も茂らぬ3月の頃。カタクリはいち早く地上に葉っぱを出します。競走相手となる他の植物を出し抜くことで、春の淡い光を一身に受けて成長できるからです。そして、お馴染みの薄紫色のきれいな花を咲かせます。
その後、花や葉が枯れると、残り10ヶ月近くは地中で球根となって休眠します。カタクリが地上に出ている期間は短く、一年のうちわずか2ヶ月ほどです。
このように他の花々に先駆けて姿を現す代わりに、周囲が緑や花々に覆われると途端に姿を消してしまうのがカタクリの特徴です。
その様子から、カタクリは「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれるそうです。
「エフェメラル」は「つかの間の、はかない」という意味。そこから転じて、短命な動植物を指す言葉です。
虫で言えば「カゲロウ」。カゲロウは成虫になってから、数時間から長くて一日しか生きられません。カタクリは西洋でカゲロウのようなはかない存在として捉えられているようです。
1年に2ヶ月ほどしか地上に出ないカタクリは、光合成の期間が限られます。そのため、成長速度が非常に遅く、種の状態から花を咲かせる栄養を蓄えるまでに約8年の時間を必要とします。
カタクリの平均寿命は40〜50年と言われ、その長寿命のおかげで群落を目にすることも多いですが、一度その植生が失われてしまうと、取り戻すには時間がかかる花ですね。
ちなみにカタクリの球根は、かつて「片栗粉」の原料になっていました。球根をすり潰して乾燥させて作るそうです。しかし大量生産が難しく、現在のようにジャガイモやサツマイモから片栗粉が作らるようになったみたいです。
(青砥)