カタチの理由 キバナノアツモリソウ

この鳳凰小屋の魅力のひとつに、希少な花々が多く見られることがあげられます。

中でも代表的な初夏の花がキバナノアツモリソウです。

いま見頃を迎えていて、小屋の前ではたくさん見ることができます。

不思議な形に目を惹かれるこの花、食中植物のようにも見えますが、実際にはそうではありません。

いままでは「面白い形」とだけ感じていませんでしたが、この”見頃ブログ”を書くにあたってもう一歩踏み込んでみようと、ふと思い立ちました。

なぜ、このような形になったのか。つまり「アツモリ」の名の由来となったこの袋が、なぜ必要になったのか。

検索をかけてみると、ひとつのサイトに行き当たりました。「はなさんぽ」。開いてみると個人が運営しているとは思えない専門的な情報が綴られています。

読み進めると、面白い考察を見つけました。

曰く、花の袋は花粉を確実に虫に付着させるための器官であるというのです。

(画像はサイトより引用)

飛んできた虫はまず、蜜を求めて仮雄しべにとまります。しかし、そこは滑りやすい構造になっているため、自然と下に口を開けている袋に落ちます。

袋の中にも蜜はありません。仕方なく虫はそこから脱出を試みます。

出口はひとつ。袋の背中側の筒状構造をくぐりぬけ、生えている毛を頼りに這い上がるしかありません。

その出口にあるのが本当の雄しべです。虫は脱出するときにそれを背中に擦り付ける格好になるわけです。

(サイトより引用)

さらに、もしその虫がすでに他のキバナノアツモリソウを訪れていた場合、出口付近の柱頭に虫の背中の花粉が付着し、受粉が行われます。

なんと巧妙で、手の込んだ構造なのでしょう。造形に凝りすぎて、いささか実用性に欠けているようにも思えます。

実際、袋に落ちた虫が大きすぎて筒状の部分をくぐり抜けられずにもがいている姿を度々見ることができます。

しかし、この記事を読んでハッとさせられたのが、今までろくに観察していなかったという事実でした。

その形をぼんやりと見るだけで、細部の構造などまるで目に入っていなかったのです。

大まかな姿だけ捉えて満足してしまっていたのです。写真に収めるだけでわかった気になっていたのです。

僕はその形に抱いた小さな疑問に、はじめて向き合いました。

改めて見るその精巧な姿は、以前とは全く違って見えました。

キバナノアツモリソウは、極めて精彩な花です。

シャッターを切る前にまず、よくごらんになってください。

きっと、得られる気づきは、どんな写真よりも価値のあるものになります。

ささやかなことに対しても、子どものような好奇心を、いつまでも抱いていたいものです。

トミタ

引用元サイト

はなさんぽ キバナノアツモリソウ
https://www.hanasanpo.org/野山の花アルバム2/ラン科1/キバナノアツモリソウ/

カテゴリー:花と植物
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